蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使うメリット・デメリットとは？

近年では災害や節電対策として、蓄電池や太陽光発電を設置する人も増えてきました。しかし、「太陽光発電は設置したけど、蓄電池も導入したほうがいいのか」「蓄電池だけではダメなのか」と悩む人もいるはずです。そこで今回は、蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使うメリット・デメリットについて解説します。

蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使うメリット

蓄電池は、太陽光発電と併用することで多くのメリットを得られます。ここでは、蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使った場合のメリットを解説します。

太陽光発電で創り出した電気を貯めておける

蓄電池と太陽光発電の組み合わせで、得られるメリットの1つが電気を貯められることです。太陽光発電のみを使用した場合、創り出した電気はすぐに使うか、電力会社などに売るしか選択肢がありませんでした。

しかし、蓄電池を活用すれば、太陽光発電で創り出した電気を貯めておけるのです。昼間に太陽光発電で創った電気を蓄電池に貯めておけば、発電できない夜間や雨の日でも電気が使えます。太陽光発電で創った電気を、無駄にすることなく自家消費できるでしょう。

電気代の節約になる

蓄電池と太陽光発電を組み合わせれば、電気代の節約にもなります。太陽光発電と蓄電池を併用して効率よく電気を使えれば、電力会社から購入する電気を減らせるのです。

具体的には、電気代が安い深夜に蓄電池に電気を貯めておき、電気代が高い昼間は太陽光発電で創った電気と蓄電池に貯めた電気を使えば、電気代の節約になります。使い方によっては、光熱費ゼロが実現できるかも知れません。

停電時の備えになる

災害や事故などで停電したときでも、蓄電池があれば電気の使用も可能です。太陽光発電の設備があっても、電気が使えるのは発電できる日中だけで、発電できない夜間や雨の日などは電気が使えません。しかし、電気を貯められる蓄電池があれば、夜間や雨の日でも電気を使うことが可能です。太陽光発電と蓄電池を組み合わせれば、より確実な非常時の備えになります。

蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使うデメリット

蓄電池は太陽光発電と非常に相性がよい製品ですが、デメリットがないわけではありません。ここでは、蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使った場合のデメリットを解説します。

初期費用がかかる

最も大きなデメリットは、初期費用がかかることです。太陽光発電を導入する初期費用の相場は、1kWあたり24～35万円になります。住宅用の太陽光発電の平均容量4.90kWであれば、120～170万円程度の費用が必要です。さらに蓄電池も併用するとなれば、プラス100～200万円ほどの費用がかかります。

このように太陽光発電と蓄電池の導入には高額な費用が必要ですが、導入することで得られる経済的メリットも大きいものです。コストの比較や試算については、専門家に相談してみましょう。

また、太陽光発電と蓄電池の導入には、多くの地方自治体が補助金を給付しています。

設置スペースが必要

設置スペースが必要なことも、デメリットといえるでしょう。メーカーにもよりますが、５kWの太陽光パネルを設置するには25～30m²の面積が必要です。さらに、蓄電池を設置するスペースも必要です。一般的な家庭用の定置型蓄電池でも、エアコンの室外機ほどの大きさがあります。

太陽光発電や蓄電池は一度設置すれば10年以上使うことになるので、生活動線などを考えて設置スペースを考えなければいけません。地域や周辺環境によっては、太陽光発電や蓄電池の設置が向かない場合もあります。

経年劣化する

長期間使える太陽光発電と蓄電池ですが、どうしても経年劣化は避けられません。太陽光パネルは20年程度使用できますが、汚れたり損傷したりする可能性もあります。

蓄電池は、充電と放電を繰り返すことで少しずつ劣化していくため、6～10年ほどで交換が必要です。長く使うためにはメンテナンスが欠かせませんが、そのための費用もかかります。

蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使う際の注意点

組み合わせることで大きなメリットが得られる蓄電池と太陽光発電ですが、設置状況によっては注意が必要です。ここでは、蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使う際の注意点を解説します。

蓄電池と太陽光発電を同時に設置する場合の注意点

同時に設置する場合の注意点は、蓄電池と太陽光発電の保証期間が違うことです。一般的に蓄電池は10年の保証期間に対して、太陽光パネルは10～20年、電力を変換する機器であるパワーコンディショナーは10年の保証期間となります。

保証の内容はメーカーや機種によって異なりますので「どれだけの期間保障してもらえるか」を見ると共に、「何を保障してくれるのか」も確認しておきましょう。

他にも、蓄電池と太陽光発電を同時に設置すると初期費用が高くなります。しかし、工事費用は別々に設置するよりも安くなるため、同時に設置したほうが導入コストを抑えられるでしょう。

蓄電池を既存の太陽光発電に後付けする場合の注意点

蓄電池を後から設置する場合は、既存の太陽光発電の容量に合わせた蓄電量の蓄電池を導入する必要があります。家庭内の電気使用量などでも蓄電池を選ぶ基準が変わりますが、できれば太陽光発電と同じメーカーの蓄電池を選ぶのがおすすめです。

太陽光発電と異なるメーカーの蓄電池を組み合わることも可能ですが、太陽光発電の保障から外れてしまう場合もあります。さらに、蓄電池の機種によっては他社メーカーに対応できない製品もあるので注意が必要です。

蓄電池を後付けする場合は、蓄電量やメーカーの相性などさまざまな要素を考慮する必要があります。最適な蓄電池を選ぶためには、両方に詳しい専門家に相談してみましょう。

蓄電池は、太陽光発電と組み合わせることで最大の効果が発揮できます。蓄電池と太陽光発電があれば、停電時も創った電気を貯めて使えるので安心です。どちらかだけしか導入していないという方は、この機会に組み合わせて設置することを検討してみてはいかがでしょうか？

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